はじめに
JavaScriptの開発中に「RangeError」はたくさん起こるエラーだと思います。
このエラーは、値が許容される範囲を超えた時に発生しますが、原因と対処法を理解すれば、スムーズに問題を解決できます。
この記事では、RangeErrorの原因とそれを解決するための具体的なソースコード例を提供します。
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RangeErrorの基本
RangeErrorは、値が許容範囲を超えた場合に発生するエラーです。
このセクションでは、RangeErrorの一般的な原因をいくつか紹介し、それらを解決する方法を示します。
配列の長さに無効な値 RangeError:Invalid Array Length
配列の長さに無効な値(例えば、負の数)を設定しようとすると、RangeErrorが発生します。
これを回避するには、配列を作成または変更する際に、正の整数を使用する必要があります。
エラーのソースコード例
1 |
var arr = new Array(-1); // RangeError: Invalid array length |
出力結果
RangeError: Invalid array length
対策方法としては、負の数でなく、正の数を設定すれば解決できます。
対策方法のソースコード例
1 |
var arr = new Array(10); // 正の整数で配列を作成 |
出力結果
// 10個の空の要素を持つ配列が作成される
ポイント
JavaScriptでは、配列のインデックスが配列の現在のサイズを超える場合、エラーは発生せず、配列は自動的にそのインデックスに合わせて拡張されます。
ただし、非常に大きなインデックスを指定すると、パフォーマンスの問題が発生したり、RangeError: Invalid array lengthが発生する場合があります。
数値の制度設定が範囲外 RangeError: toPrecision() argument must be between x and y
JavaScriptでは、数値を扱う際に精度が重要な要素となることがあります。
Number.prototype.toPrecision
やNumber.prototype.toFixed
メソッドを使用する時、精度の設定が範囲外であるとRangeErrorが発生します。
これを回避するためには、これらのメソッドの精度指定がJavaScriptの許容範囲内であることを確認する必要があります。
エラーのソースコード例
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var num = 5.123456; num.toPrecision(102); // RangeError: toPrecision() argument must be between 1 and 100 |
出力結果
RangeError: toPrecision() argument must be between 1 and 100
対策方法としては、範囲内の値に設定しましょう!
対策方法のソースコード例
1 2 |
var num = 5.123456; num.toPrecision(5); // "5.1235" |
出力結果
"5.1235"
再帰関数の無限ループ RangeError: Maximum call stack size exceeded
再帰関数は非常に強力なツールですが、誤って無限ループに入ると「Maximum call stack size exceeded」エラーが発生します。
これを避けるためには、適切な終了条件を設定することが必要です。
エラーのソースコード例
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function infiniteLoop(x) { return infiniteLoop(x + 1); } infiniteLoop(1); // RangeError: Maximum call stack size exceeded |
出力結果
RangeError: Maximum call stack size exceeded
おわりの条件を正しく設定してあげましょう!
対策方法のソースコード例
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function recursiveFunction(x) { if (x < 10) { return recursiveFunction(x + 1); } else { return x; } } recursiveFunction(1); // 10 |
出力結果
10
無効な時間値 RangeError: Invalid time value
Dateオブジェクトを扱う際に、不正な日付や時間を設定しようとすると「RangeError: Invalid time value」エラーが発生します。
JavaScriptでは、Dateオブジェクトを使用して日付や時間を操作することが一般的ですが、無効な日付を設定するとこのエラーに遭遇します。このエラーを避けるには、有効な日付を設定することが重要です。
エラーのソースコード例
1 |
new Date('This is not a date'); // RangeError: Invalid time value |
出力結果
RangeError: Invalid time value
有効な日付を設定してあげましょう!
対策方法のソースコード例
1 |
new Date(2023, 0, 1); // 有効な日付を設定する |
出力結果
// 2023年1月1日の日付オブジェクトが作成される
無効な繰り返し回数 RangeError: Invalid count value
String.prototype.repeat
メソッドを使用する際、引数として無効な繰り返し回数(負の数や非数値)を指定すると、「RangeError: Invalid count value」エラーが発生します。
このメソッドは、文字列を指定された回数だけ繰り返す機能を持ちますが、繰り返し回数として有効な正の整数を指定することが必要です。
エラーのソースコード例
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'abc'.repeat(-1); // RangeError: Invalid count value |
出力結果
RangeError: Invalid count value
繰り返すときは正の整数で回しましょう!
対策方法のソースコード例
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'abc'.repeat(3); // 正の整数で文字列を繰り返す |
出力結果
"abcabcabc"
まとめ
JavaScriptでRangeErrorに直面するのは、開発の過程で避けられないことかもしれません。
しかし、この記事で紹介したように、原因を理解し、適切な対処方法を適用することで、これらのエラーを効果的に解決することができます。
RangeErrorの種類
- Invalid Array Length
- argument must be between x and y
- Maximum call stack size exceeded
- Invalid time value
- Invalid count value
これらのRangeErrorがでる時と対策方法を学べばきっと、すぐに解決できると思います!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。少しでもお役にたてたなら幸いです!
この記事では、RangeErrorの原因と解決策をいくつか紹介しましたが、JavaScriptにはさらに多くのエラータイプが存在します。
各エラータイプを正しく理解し、適切な対応を取りましょう!
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