はじめに
JavaScriptのTypeErrorは、何かを間違った型または方法で使用しようとしたときに発生します。
このエラーは、関数に不適切な型の引数が渡されたり、オブジェクトが期待されるメソッドを持っていない場合など、さまざまな状況で発生します。
ここでは、TypeError
が発生する典型的なシナリオをいくつか紹介します。
TypeError: Cannot read property 'property' of null: nullまたはundefinedのプロパティにアクセスする
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let obj = null; console.log(obj.property); |
出力結果
TypeError: Cannot read property 'property' of null
上記のコードでは、nullのプロパティにアクセスしようとしています。
nullにはプロパティが存在しないため、TypeErrorが発生します。
対処法
objがnullまたはundefinedでないことを確認してから、そのプロパティにアクセスします。
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let obj = { property: 'value' }; if(obj !== null && obj !== undefined){ console.log(obj.property); } |
出力結果
value
TypeError: notFunction is not a function: 関数ではないものを関数として呼び出す
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let notFunction = "I'm not a function!"; notFunction(); |
出力結果
TypeError: notFunction is not a function
ここでは、文字列を関数として呼び出そうとしています。
文字列には関数メソッドが存在しないため、TypeErrorが発生します。
対処法
関数を呼び出す際には、その変数が実際に関数であることを確認します。
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let isFunction = function(){ console.log("I'm a function!") }; if(typeof isFunction === 'function'){ isFunction(); } |
出力結果
I'm a function!
TypeError: Cannot read property 'length' of undefined: 数値をオブジェクトとして扱う
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let num = 5; console.log(num.length); |
出力結果
TypeError: Cannot read property 'length' of undefined
この例では、数値に対してlengthプロパティ(通常は文字列や配列に存在する)を呼び出しています。
数値にはlengthプロパティが存在しないため、TypeErrorが発生します。
対処法
数値にlengthプロパティは存在しないので、数値を文字列に変換してからlengthプロパティを使用します。
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let num = 5; let numString = num.toString(); console.log(numString.length); |
出力結果
1
TypeError: Cannot read property 'five' of undefined: 配列のインデックスに無効な値を使用する
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let arr = [1, 2, 3]; console.log(arr['five']); |
出力結果
TypeError: Cannot read property 'five' of undefined
このコードでは、配列のインデックスに文字列を使用しています。
配列のインデックスは数値でなければならないため、TypeErrorが発生します。
対処法
配列のインデックスには数値を使用します。もし文字列をキーとして値を格納したい場合は、オブジェクトを使用します。
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let arr = [1, 2, 3]; console.log(arr[1]); // 2を出力 let obj = { 'five': 5 }; console.log(obj['five']); // 5を出力 |
出力結果
2
5
TypeError: No arguments: 組み込みオブジェクトを無効な方法で呼び出す
1 |
console.log(Math.max()); |
出力結果
TypeError: No arguments
ここでは、引数なしでMath.max()を呼び出しています。
Math.max()は少なくとも一つ以上の引数が必要です。引数がないと、TypeErrorが発生します。
対処法
Math.max()を呼び出す際には、少なくとも1つ以上の引数を指定します。
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console.log(Math.max(1, 2, 3)); // 3を出力 |
出力結果
3
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関数に不適切な型の引数を渡す
関数が特定の型の引数を期待しているにも関わらず、異なる型の引数が渡された場合にTypeError
が発生します。
ソースコード例: 不適切な型の引数
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function addNumbers(a, b) { return a + b; } console.log(addNumbers(5, "test")); |
出力結果
5test
この場合、TypeError
は発生しませんが、不適切な引数の使用は予期しない結果を引き起こす可能性があります。
正確には、関数が数値の加算を期待している場合に文字列が渡されると、文字列の連結が行われます。
TypeError
を解決するには、コードに対する厳格な型チェックを行い、関数やメソッドを呼び出す前に引数やオブジェクトのプロパティが正しい型を持っていることを確認する必要があります。
対策方法のソースコード例
未定義のプロパティへのアクセスや不適切な型の引数を渡す問題を解決するためのコード例を以下に示します。
ソースコード例: 型チェックを追加
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let obj = {name: 'John'}; if (obj.name) { console.log(obj.name.toUpperCase()); } function addNumbers(a, b) { if (typeof a === 'number' && typeof b === 'number') { return a + b; } else { return 'Both arguments must be numbers'; } } console.log(addNumbers(5, 10)); console.log(addNumbers(5, "test")); |
出力結果
JOHN
15
Both arguments must be numbers
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まとめ
以上がJavaScriptでよく見られるTypeErrorの例とその対処方法になります。
TypeErrorは、変数や関数の使用方法がJavaScriptの型システムと一致しないときに発生します。
原因となるコードを特定し、適切な型を使用することで解決します。
JavaScriptの動的な型付けは柔軟性を提供しますが、同時にTypeErrorを生み出す可能性もあります。
そのため、プログラムを書くときは常に型を意識することが重要です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。少しでもお役にたてたなら幸いです!