JavaScriptにおける数学関数の活用
JavaScriptには多くの数学関数が組み込まれており、これらを利用することで数値計算を効率的に行うことができます。本記事では、Math.pow()
, Math.exp()
, Math.log()
, Math.log10()
, Math.log2()
の各関数について、具体的な使用例とともに詳しく解説していきます。
Math.pow(x, y):xのy乗を計算する
Math.pow()
関数は、指定された数値のべき乗を計算します。ここでxは底、yは指数です。
ソースコード例
1 2 3 |
console.log(Math.pow(2, 3)); // 8 console.log(Math.pow(5, 2)); // 25 console.log(Math.pow(10, -1)); // 0.1 |
このコードは、2の3乗、5の2乗、10の-1乗を計算しています。
出力結果
8
25
0.1
Math.exp(x):eのx乗を計算する
Math.exp()
関数は、自然対数の底eを底とした指数関数を計算します。ここでxは指数です。
ソースコード例
1 2 3 |
console.log(Math.exp(1)); // e^1 = e console.log(Math.exp(0)); // e^0 = 1 console.log(Math.exp(-1)); // e^-1 |
このコードは、eの1乗、0乗、-1乗を計算しています。
出力結果
e
1
eの逆数
Math.log(x):xの自然対数を計算する
Math.log()
関数は、指定された数値の自然対数を返します。自然対数は底がeの対数です。
ソースコード例
1 2 3 |
console.log(Math.log(e)); // 1 console.log(Math.log(1)); // 0 console.log(Math.log(10)); // 約2.302 |
このコードは、eの自然対数、1の自然対数、10の自然対数を計算しています。
出力結果
1
0
2.302
Math.log10(x):xの常用対数(底が10)を計算する
Math.log10()
関数は、指定された数値の常用対数(底が10の対数)を返します。
ソースコード例
1 2 3 |
console.log(Math.log10(10)); // 1 console.log(Math.log10(100)); // 2 console.log(Math.log10(1000)); // 3 |
このコードは、10、100、1000の常用対数を計算しています。
出力結果
1
2
3
Math.log2(x):xの二進対数(底が2)を計算する
Math.log2()
関数は、指定された数値の二進対数(底が2の対数)を返します。
ソースコード例
1 2 3 |
console.log(Math.log2(2)); // 1 console.log(Math.log2(4)); // 2 console.log(Math.log2(8)); // 3 |
このコードは、2、4、8の二進対数を計算しています。
出力結果
1
2
3
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JavaScriptの数学関数応用例
ここでは、先ほど紹介した各数学関数の応用例をいくつか紹介します。これらの例を通して、実際のプログラミングシーンでの利用方法を理解しましょう。
Math.pow()の応用:複利計算
Math.pow()
は金融計算でよく使われます。例えば、複利計算に利用できます。初期投資額に対して、年利率と経過年数を基に将来価値を計算します。
ソースコード例
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let principal = 10000; // 初期投資額 let annualRate = 0.05; // 年利率 let years = 10; // 経過年数 let futureValue = principal * Math.pow(1 + annualRate, years); console.log(futureValue); |
このコードは、初期投資額10,000円を年利5%で10年間運用した場合の将来価値を計算しています。
出力結果
約16,288円
Math.exp()の応用:自然増加率の計算
Math.exp()
は、人口統計学などで自然増加率を計算するのに使用できます。例えば、ある人口が毎年一定の割合で増加する場合、数年後の人口を推計できます。
ソースコード例
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let initialPopulation = 1000000; // 初期人口 let growthRate = 0.01; // 増加率(1%) let years = 5; // 経過年数 let futurePopulation = initialPopulation * Math.exp(growthRate * years); console.log(futurePopulation); |
このコードは、初期人口100万人が毎年1%ずつ増加する場合の5年後の人口を計算しています。
出力結果
約1,051,271人
Math.log()の応用:半減期の計算
Math.log()
は、物理学や化学で半減期を計算するのに使えます。放射性物質の半減期を求める際に使用できます。
ソースコード例
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let initialAmount = 100; // 初期量 let remainingAmount = 50; // 残存量 let decayRate = 0.693; // 減衰定数 let halfLife = Math.log(remainingAmount / initialAmount) / -decayRate; console.log(halfLife); |
このコードは、初期量の半分に減少するまでの時間、つまり半減期を計算しています。
出力結果
約1年
以上の例から、Math
オブジェクトの関数がさまざまな分野でどのように応用できるかがわかります。プログラミングにおいて数学関数の理解と活用は非常に重要です。
まとめ
JavaScriptの数学関数は、複雑な数値計算を簡単に行うための強力なツールです。Math.pow()
、Math.exp()
、Math.log()
、Math.log10()
、Math.log2()
などの関数を駆使することで、様々な数学的な問題に対応することが可能です。これらの関数を理解し、適切に使いこなすことで、JavaScriptプログラミングの幅が広がります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。少しでもお役にたてたなら幸いです!