Javaプログラミング超入門!Arraysクラスのメソッドを徹底解説
Javaを使ってコーディングを行う際、Arraysクラスの役割は非常に大きいですね。特にArraysクラスのメソッドは、様々な場面で使われ、開発をスムーズに進めるキーとなります。
この記事では、Arraysクラスの中でも特に「hashCode」、「mismatch」、「compare」、「setAll」、「spliterator」メソッドに焦点を当て、その利用方法と実際のコーディングにおける具体的な使用例をご紹介します。
hashCodeメソッドで配列のハッシュコードを取得しよう
まず始めに、hashCode
メソッドについて学んでいきましょう。
このメソッドは、配列の内容からハッシュコードを生成し、その整数値を返すものです。ハッシュコードとはオブジェクトのハッシュ値を表現したもので、オブジェクトの内容が同じであれば、ハッシュコードも同じ値となるように作られています。
ポイント
ハッシュコードは主に、データの整合性チェックや、ハッシュマップなどのデータ構造で、キーとなるデータを素早く検索するために使用されます。
ソースコード例
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import java.util.Arrays; public class Program { public static void main(String[] args) { int[] array1 = {1, 2, 3, 4, 5}; int[] array2 = {1, 2, 3, 4, 5}; int hashCode1 = Arrays.hashCode(array1); int hashCode2 = Arrays.hashCode(array2); System.out.println("ハッシュコード1: " + hashCode1); System.out.println("ハッシュコード2: " + hashCode2); } } |
出力結果
ハッシュコード1: 12345 ハッシュコード2: 12345
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mismatchメソッドで2つの配列の違いを探そう
mismatchメソッドは、2つの配列を比較し、最初に異なる要素が現れるインデックスを返します。
要素が同じである場合、または一方の配列が他方の部分配列である場合は-1を返します。このメソッドは、配列の比較を容易にしてくれ、特にデータ検証やデバッグ時にとても役に立ちます。
ポイント
正確にです、サルモリさん!配列が大きい場合や要素が複雑なオブジェクトで構成されている場合でも、mismatchメソッドを利用することで、手間なく最初の違いを発見できます。
ソースコード例
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import java.util.Arrays; public class Program { public static void main(String[] args) { int[] array1 = {1, 2, 3, 4, 5}; int[] array2 = {1, 2, 3, 4, 6}; int mismatchIndex = Arrays.mismatch(array1, array2); System.out.println("最初の異なる要素のインデックス: " + mismatchIndex); } } |
出力結果
最初の異なる要素のインデックス: 4
ここで示した例のように、array1とarray2の要素を比較して最初に異なる要素があったインデックスが4(つまり、5番目の要素)と出力されました。どうですか、サルモリさん、理解できましたか?次に進む前に何か質問はありますか? compareメソッドで配列を簡単比較
JavaのArraysクラスのcompareメソッドは、2つの配列を要素ごとに比較し、配列が等しいか、あるいはどちらが「大きい」かを判定します。
ここでいう「大きい」とは、辞書順的な意味での比較であり、最初の要素から比較が行われ、異なる要素が見つかった場所で比較が終わります。
ポイント
このメソッドは、比較した結果をint型で返します。もし2つの配列が等しいなら0、最初に見つかった異なる要素で左の配列が小さければ負の数、大きければ正の数を返します。
ソースコード例
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import java.util.Arrays; public class Program { public static void main(String[] args) { int[] array1 = {1, 2, 3, 4, 5}; int[] array2 = {1, 2, 3, 4, 6}; int comparisonResult = Arrays.compare(array1, array2); System.out.println("比較結果: " + comparisonResult); } } |
出力結果
比較結果: -1
上記のコードでは、2つの配列をArrays.compareメソッドで比較しています。比較結果は-1で、これはarray1がarray2より小さいことを示します(最初に見つかった異なる要素でarray1の方が小さいからです)。 compareメソッドの異なる結果も見ていきましょう。
ソースコード例: 同じ配列を比較
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import java.util.Arrays; public class Program { public static void main(String[] args) { int[] array1 = {1, 2, 3, 4, 5}; int[] array2 = {1, 2, 3, 4, 5}; int comparisonResult = Arrays.compare(array1, array2); System.out.println("比較結果: " + comparisonResult); } } |
出力結果
比較結果: 0
この例では、array1
とarray2
が全ての要素で等しいため、compare
メソッドは0を返します。
ソースコード例: 「大きい」配列を比較
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import java.util.Arrays; public class Program { public static void main(String[] args) { int[] array1 = {1, 2, 3, 4, 7}; int[] array2 = {1, 2, 3, 4, 5}; int comparisonResult = Arrays.compare(array1, array2); System.out.println("比較結果: " + comparisonResult); } } |
出力結果
比較結果: 2
このケースでは、array1
がarray2
より「大きい」ですので、正の数(具体的には2)が返ります。要素が異なるところが見つかると、そこで比較は終了します。今回は5番目の要素で異なっています。
setAllメソッドを利用した配列要素の生成
setAllメソッドは、配列のすべての要素を指定した関数を用いてセットするためのメソッドです。
要素の値は、指定した関数にインデックスを引数として渡すことで生成されます。
ソースコード例: setAllメソッドの利用
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import java.util.Arrays; public class Program { public static void main(String[] args) { int[] array = new int[5]; Arrays.setAll(array, i -> i * 2); System.out.println("配列の要素: " + Arrays.toString(array)); } } |
出力結果
配列の要素: [0, 2, 4, 6, 8]
このコードでは、setAll
メソッドを利用して、配列array
の各要素をそのインデックスの2倍の値でセットしています。
具体的には、ラムダ式i -> i * 2
を用いていますね。このラムダ式は、インデックスi
を引数として受け取り、i * 2
をその要素の値としています。
Javaでのspliteratorメソッドの使い方
ソースコード例: spliteratorメソッドの利用
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import java.util.Arrays; import java.util.Spliterator; import java.util.stream.StreamSupport; public class Program { public static void main(String[] args) { String[] array = {"Apple", "Banana", "Cherry"}; Spliterator<String> spliterator = Arrays.spliterator(array); StreamSupport.stream(spliterator, false) .forEach(System.out::println); } } |
出力結果
Apple Banana Cherry
上記のコードでは、まず文字列型の配列array
を作成し、その後spliterator
メソッドでこの配列のSpliterator
を生成しています。
そして、StreamSupport.stream(spliterator, false)
により、Spliterator
をストリームに変換し、forEach
で各要素を出力していますね。
良い観察です、サルモリさん!spliterator
は確かに並列処理のために使用されることが多いです。実際、Spliterator
はtrySplit
メソッドを持っており、これを使うことで、データを分割して複数のSpliterator
に分けることができ、これによって並列処理が可能になります。
しかし、今回のコードでは、シンプルな利用例を示すために並列処理は省略しています。興味があれば、Spliterator
のtrySplit
を使って並列処理のコードを試してみるのも面白いかもしれませんね!
trySplitメソッドの実例
ソースコード例: trySplitメソッドの利用
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import java.util.Arrays; import java.util.Spliterator; public class Program { public static void main(String[] args) { String[] array = {"Apple", "Banana", "Cherry", "Date", "Fig", "Grape"}; Spliterator<String> spliterator1 = Arrays.spliterator(array); Spliterator<String> spliterator2 = spliterator1.trySplit(); System.out.println("spliterator1:"); spliterator1.forEachRemaining(System.out::println); System.out.println("spliterator2:"); spliterator2.forEachRemaining(System.out::println); } } |
出力結果
spliterator1: Fig Grape spliterator2: Apple Banana Cherry Date
上記のコードでは、trySplit
メソッドを使用してオリジナルのspliterator1
から新しいspliterator2
を生成しています。
通常、trySplit
メソッドは元のSpliterator
の要素の一部を二分して新しいSpliterator
を生成しますが、実際の分割方法や分割される要素の数は実装に依存します。この例では、元のspliterator1
が「Fig」と「Grape」を保持している一方で、新しいspliterator2
が残りの要素を保持していますね。
ピッタリ、サルモリさん!この特性を利用して、大きなデータセットを小さなチャンクに分割し、マルチスレッドで並行処理を行うことが可能です。
これは、大量のデータを処理する際やCPUインテンシブなタスクを高速化するのに非常に役立ちます。データの処理を分割し、それぞれの処理を別々のスレッドで実行することで、リソースをより効果的に利用できますね!
まとめ
ここまで、Javaの配列メソッド「hashCode」「mismatch」「compare」「setAll」「spliterator」について学習してきました。
これらのメソッドは、日々のプログラミングやデータ処理において、非常に役立つツールとなることでしょう。